カキタンニンは、渋柿の柿渋に含まれる高分子ポリフェノール(縮合型タンニン)で、化粧品表示名は「カキタンニン」、別名 柿タンニンとも呼ばれる天然由来の成分にあたる。柿渋せっけんで古くから知られ、化粧品では収れん(肌・頭皮を引き締める使用感)・消臭(体臭・頭皮臭ケア訴求)・整肌を目的に、メンズのデオドラント系ボディソープ・せっけん・スカルプシャンプー等に配合される(化粧品成分・cosmetic-only)。本記事は、品質保持・清潔感を裏で支える成分クラスタの1本として、カキタンニンの正体と化粧品での役割を整理したうえで、「柿渋=加齢臭が消える/ワキガが治る」式のデオドラント俗説と化粧品効能の範囲の区別、そして「天然・植物由来=安全/刺激ゼロ」という短絡の整理を、過度な期待でも全否定でもなく中立に解像する。
1. カキタンニンの基本
1.1 何の成分か
カキタンニンは、渋柿の柿渋(Diospyros kaki 由来)に含まれる高分子ポリフェノールで、縮合型タンニンに分類される天然由来の成分にあたる。化粧品表示名は「カキタンニン」、別名として柿タンニンとも呼ばれ、原料は渋柿を搾って発酵・熟成させた柿渋にさかのぼる。柿渋せっけんに代表されるように、古くから消臭・整肌の素材として用いられてきた歴史を持つ。
タンニンは、タンパク質と結合して引き締める「収れん性」を持つ植物成分の総称で、カキタンニンはその中でも分子量の大きい縮合型タンニンにあたる。この収れん性が、化粧品でカキタンニンが担う「肌や頭皮を引き締める使用感」や、臭気成分を吸着・低減すると説明される「消臭」の使用感の土台になっている。緑茶のカテキンやワインのポリフェノールと同じく、ポリフェノールの一種として整理される成分にあたる。
規制上の位置づけは化粧品成分(cosmetic-only)で、医薬部外品の有効成分として指定された成分ではない。カキタンニン自体に「制汗する」「殺菌する」「加齢臭を消す」といった薬理的な効能を化粧品として標榜できるものではなく、化粧品の処方の中で収れん・消臭・整肌の使用感を担う成分にあたる。配合製品の効能訴求は、配合された製品全体としての化粧品の標準効能の範囲にとどまる。
1.2 どんな製品に配合されるか
カキタンニンの配合製品は、デオドラント・消臭をテーマにしたボディ・スカルプ系に集中する。代表的なのは柿渋せっけんで、体臭・加齢臭ケアを訴求する固形・液体せっけんに古くから使われてきた。これに加えて、デオドラントボディソープ、体臭・頭皮臭ケアを謳うスカルプシャンプー、制汗系・汗対策系のボディ製品など、「におい」と「すっきりした洗い上がり」を訴求する製品に配合されやすい成分にあたる。
これらの製品でカキタンニンが選ばれるのは、収れん性のあるポリフェノールという特性が、引き締まったさっぱりとした使用感と、臭気成分を吸着・低減すると説明される消臭の訴求にかみ合うためにあたる。柿渋という素材自体が「消臭の天然成分」として一般に広く認知されているため、ボタニカル・自然派の世界観でデオドラントを打ち出す製品とも親和性が高い。
配合濃度は製品設計に依存し、デオドラント系のせっけん・ボディソープ・スカルプシャンプー等では、洗浄成分や香料に比べると補助的な範囲で配合されることが多い。成分表示では植物エキス・整肌成分として後半に記載されやすい位置づけにあたる。製品によっては、消臭・整肌を狙って他の植物エキスやメントール等の清涼成分と組み合わせて配合される。
1.3 メンズ視点での見方
メンズヘアケア・ボディケアの観点では、カキタンニンは「柿渋由来のポリフェノールで、収れん・消臭の使用感を担う天然由来の整肌成分。化粧品では引き締めとにおいケアの使用感が役割」という読み方ができる。
メンズの体臭・頭皮臭・加齢臭ケアは関心の高いテーマで、その文脈で「柿渋」「カキタンニン」は非常に出会う頻度の高い訴求成分にあたる。デオドラントボディソープ・柿渋せっけん・スカルプシャンプーといった製品の「におい対策」の中心として、カキタンニンが配合されているケースは多い。
ここでメンズが押さえておきたいのは、カキタンニンを「柿渋だから加齢臭・ワキガに効く薬」とも「天然由来だから刺激ゼロで万能」とも単純に受け取らない、という点にある。化粧品としてのカキタンニンの役割は収れん・消臭の使用感までで、汗を止める(制汗)・原因菌を殺菌するといった薬理的な効果は医薬部外品の領域にあたり、化粧品の効能として断定はできない。また、天然由来であっても収れん性は比較的強く、肌状態次第では乾燥・つっぱりを感じる場合もある。カキタンニンは「身近な天然の収れん・消臭素材で、化粧品効能の範囲と収れんによる乾燥が論点」と中立に捉えるのが、メンズが読み解く前提にあたる(詳細は §3.1・§3.4・§3.5・関連: メンズ頭皮ケアガイド)。
2. 期待される働き
2.1 収れん・消臭・整肌
カキタンニンの化粧品での働きの中心は、収れん・消臭・整肌の使用感にある。いずれもタンニンの「タンパク質と結合して引き締める収れん性」という性質に由来する働きにあたる。
収れんは、肌や頭皮を引き締めるような、さっぱり・すっきりとした使用感を指す。カキタンニンのような収れん性のあるポリフェノールは、洗い上がりやスキンケア後のキュッと引き締まる感触に寄与すると整理される。化粧水・トナーで使われる「収れん化粧水(アストリンゼント)」と同じ系統の使用感で、脂性肌・べたつきが気になる肌で好まれやすい。
消臭は、カキタンニン配合製品の最も大きな訴求軸にあたる。消臭の機序としては、タンニンが体臭・加齢臭の原因とされる臭気成分(ノネナール等)と反応・吸着して低減すると説明されることが多い。柿渋せっけんが「消臭の素材」として広く知られているのも、この働きへの期待による。ただし、この消臭はあくまで化粧品の使用感の範囲にとどまる点が重要で、薬理的に「におわなくする」効能を断定できるものではない(詳細は §2.2・§3.4)。
整肌は、収れん・消臭の使用感とあわせて、肌のキメやコンディションを整える使用感を指す一般的な表現にあたる。カキタンニンはポリフェノールとして配合され、これらの使用感を補助する役割で処方に組み込まれる。いずれも化粧品の標準効能の範囲で、特定の症状を治療・改善する医薬的な効果ではない点を前提に理解するのが正確にあたる。
2.2 俗説と役割の区別
カキタンニンを語るうえで分けておきたいのが、「柿渋=消臭」という強いイメージと、化粧品成分としての実際の役割の区別にある。柿渋・カキタンニンは「加齢臭・体臭・ワキガに効く」デオドラント素材として一般に広く語られるが、化粧品成分としての役割と、薬理的な効能の標榜は別の話にあたる。
まず、化粧品としてのカキタンニンの働きは、収れん・消臭・整肌の「使用感」までにとどまる。タンニンが臭気成分を吸着・低減すると説明される消臭の働きは、化粧品が訴求できる清潔感・使用感の範囲にあたり、これ自体は化粧品の枠組みで説明できる。一方で、「汗そのものを止める(制汗)」「においの原因菌を殺菌する」といった作用は、化粧品ではなく医薬部外品(薬用化粧品)の領域にあたり、化粧品としてのカキタンニンの効能として断定できるものではない。
したがって、「柿渋で加齢臭が消える」「柿渋せっけんでワキガが治る」といった断定は、化粧品成分の役割を超えた俗説として切り分けておきたい。これは「カキタンニンの消臭は意味がない」という全否定でもなく、「制汗・殺菌の薬効がある」という過度な期待でもない。化粧品としてのカキタンニンは「収れん・消臭の使用感をサポートする補助成分」であり、薬理的な制汗・殺菌・体臭の治療を期待する対象ではない、という位置づけが中立的にあたる(詳細は §3.4)。
3. 安全性・注意点
3.1 既知の刺激性・乾燥(収れん性が論点)
カキタンニンの安全性で実用上の論点になるのは、収れん性に伴う乾燥・つっぱりにある。タンニンはタンパク質と結合して引き締める収れん性を持つポリフェノールで、カキタンニンも収れん性が比較的強い成分にあたる。この性質は「さっぱり引き締まる使用感」というメリットの裏返しでもあり、濃度が高い処方や、肌が乾燥・敏感になっている状態では、つっぱり感や乾燥を感じる場合がある。
特にデオドラント系のせっけん・ボディソープは洗浄力が高めの設計が多く、洗浄による皮脂の除去とカキタンニンの収れん感が重なると、洗い上がりがさっぱりを通り越してつっぱると感じることもある。脂性肌・べたつきが気になる肌には心地よい使用感でも、乾燥肌・敏感肌では人によって乾燥を感じやすい、という個人差が出やすい成分にあたる。
アレルギーの観点では、カキタンニンは植物由来のポリフェノールで、一般に重大なアレルゲンとして広く知られる成分ではない。ただし、植物エキス全般と同様、体質によっては合わない可能性はゼロではない。敏感肌・肌が弱っている人や、柿渋系の製品で過去に刺激を感じた経験のある人は、新規の製品を使う際にパッチテストで個別の相性を確認するのが無難にあたる。「天然由来だから刺激ゼロ」と決めつけず、収れん性の強さと自分の肌状態を踏まえて使うのが現実的にあたる(詳細は §3.5)。
3.2 推奨配合量と過剰使用時のリスク
カキタンニンの配合濃度は、収れん・消臭の使用感を狙う製品設計に依存し、デオドラント系のせっけん・ボディソープ・スカルプシャンプー等では、洗浄成分に比べると補助的な範囲で配合されることが多い。確たる推奨濃度の公的な数値は一般化しにくく、製品ごとに処方バランスの中で調整されるのが実態にあたる(数値が確認できる範囲を超えた具体値は本記事では断定しない)。
過剰時のリスクとして実用的なのは、収れん性に伴う乾燥・つっぱりにある。収れん性のあるタンニンは、濃度が高い・洗浄力の高い処方と重なる・肌が乾燥している、といった条件が揃うと、つっぱりや乾燥を感じやすくなる。これは「使えば使うほど消臭効果が上がる」という性質のものではなく、製品を用法どおりに使い、肌の状態に合わせて頻度や量を調整するのが現実的な使い方にあたる。
また、消臭・デオドラントの訴求に期待して、配合製品を過度に重ね塗りしたり、洗いすぎたりするのは逆効果になりうる点も留意したい。皮脂を落としすぎると肌のバリアが乱れ、かえって乾燥や肌荒れにつながる場合がある。カキタンニン配合製品は「強い薬で体臭を断つ」ものではなく、収れん・消臭の使用感をサポートする化粧品として、標準的な使い方の範囲で使うのが安全な付き合い方にあたる。
3.3 製品の品質保持・清潔感を裏で支える防腐・キレート・収れん補助成分の整理
製品の品質を保ち、清潔感のある使用感を裏で支える成分には、防腐剤・キレート剤・収れん補助といった役割の違うものが混在する。これらは効能をうたう有効成分とは別の「縁の下の力持ち」で、由来も合成・天然さまざまにあたる。カキタンニンもこの中では収れん・消臭の使用感を担う天然由来の補助成分にあたる。「天然=安全/合成=危険」や「防腐剤=悪」といった単純化を避け、それぞれの役割と中立的な見方を整理すると読みやすい(下表)。
| 成分 | タイプ | 主な働き・由来 | 中立化のポイント |
|---|---|---|---|
| ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル(IPBC) | 防腐剤(合成・カルバメート系) | 防カビ・抗菌力が高く微量で効く防腐剤 | ヨウ素を含むが配合は微量で適正濃度で管理。EUはリーブオン/口元・乳幼児用途を制限。接触アレルゲン報告あり |
| ヒノキチオール | 抗菌・整肌(天然・タイワンヒノキ/ヒバ由来) | 抗菌・整肌。薬用(医薬部外品)では殺菌・育毛の有効成分としても配合 | 「天然=安全/万能」短絡を避ける。化粧品では抗菌・整肌の補助、薬用では有効成分と位置づけが変わる |
| ペンテト酸5Na | キレート剤(合成・DTPA系) | 金属イオンを封鎖して防腐・酸化安定・泡立ちを補助 | EDTAと同系の品質保持の補助成分で効能成分ではない |
| フィチン酸 | キレート/抗酸化(天然・米ぬか等由来) | 金属イオン封鎖・抗酸化。生分解性が高い代替キレートとして使われる | 「天然キレート」訴求もあるが役割は品質保持の補助。pH調整・角質ケア文脈もある |
| カキタンニン(柿タンニン) | 収れん・消臭(天然・柿渋ポリフェノール) | ポリフェノールによる収れん・消臭(体臭・頭皮臭ケア訴求) | 化粧品の収れん・清涼感の範囲で、薬理的な制汗・殺菌の断定はできない。デオドラント俗説を中立化 |
| (参考)フェノキシエタノール | 防腐剤(合成) | 広く使われる代表的な防腐剤 | 既存解説 → /ingredients/phenoxyethanol/ |
| (参考)EDTA類・HEDTA・3Na | キレート剤(合成) | 金属封鎖の定番。生分解性が環境面の論点 | 既存解説 → /ingredients/edta/ ・ /ingredients/trisodium-hedta/ |
この表からわかるのは、品質保持・清潔感を支える成分は、防腐(IPBC・フェノキシエタノール)、抗菌・整肌(ヒノキチオール)、金属封鎖のキレート(ペンテト酸5Na・フィチン酸・EDTA類)、収れん・消臭(カキタンニン)と役割が分かれており、合成・天然も入り混じっている点にある。カキタンニンは天然由来の収れん・消臭素材だが、天然であることが安全や効能を保証するわけではなく、ヒノキチオールが「化粧品では補助・薬用では有効成分」と位置づけが変わるのと同じように、化粧品としてのカキタンニンは収れん・清涼感の使用感の範囲にとどまる。それぞれを「役割」と「化粧品/薬用の区分」で見ると、過度な期待も過度な不安も避けて読み解ける。
3.4 デオドラント・消臭の俗説と化粧品効能の範囲の整理
カキタンニンを語るときに最も誤解されやすいのが、「柿渋・カキタンニン配合だから加齢臭が消える/ワキガが治る」というデオドラント俗説にある。カキタンニンの解説における独自軸の1本目はこの「消臭の俗説と化粧品効能の範囲」の中立整理で、化粧品が訴求できる範囲と医薬部外品の領域を切り分けると、カキタンニンの実像がクリアになる。
まず、化粧品としてのカキタンニンの働きは、収れん・消臭・整肌の「使用感」までにとどまる点を整理する。タンニンが臭気成分(ノネナール等)と反応・吸着して低減すると説明される消臭の働きは、化粧品が訴求できる清潔感・使用感の範囲にあたり、「すっきり・におい残りしにくい使用感」として説明できる。柿渋せっけんが消臭の素材として広く使われてきたのも、この使用感への期待による。
そのうえで、薬理的な制汗・殺菌・体臭治療は化粧品の効能ではない、という点が決定的に重要にあたる。「汗そのものを止める(制汗)」「においの原因菌を殺菌する」「ワキガ(腋臭症)を治す」といった作用は、医薬部外品(薬用化粧品)や医薬品の領域にあたり、化粧品としてのカキタンニンの効能として標榜できるものではない。制汗・殺菌を訴求する製品は、別途その効能で承認された有効成分を配合した医薬部外品として設計される。化粧品の成分表示にカキタンニンが入っているからといって、その製品が制汗・殺菌の薬効を持つわけではない。
整理すると、カキタンニンの消臭は「化粧品の使用感の範囲でにおいケアをサポートする補助的な働き」であって、「加齢臭が消える」「ワキガが治る」式の断定は俗説にあたる。これは消臭の使用感を全否定するものでも、薬理的な薬効を保証するものでもなく、「化粧品としては収れん・消臭の使用感まで、制汗・殺菌は別領域」と区分して捉えるのが中立的にあたる。強いにおいの悩みが続く場合は、化粧品での消臭ケアに過度に期待せず、医薬部外品のデオドラント製品や、必要に応じて皮膚科の相談を選択肢に入れるのが現実的にあたる。
3.5 「植物由来=安全/刺激ゼロ」短絡の整理
カキタンニンを語るときのもう1つの注意点が、「天然・植物由来=安全/刺激ゼロ」という短絡にある。カキタンニンの解説における独自軸の2本目はこの「天然由来と低刺激の混同」の中立整理で、由来(天然/合成)と刺激性は別の軸であるという点を切り分けると、カキタンニンとの付き合い方が見えてくる。
まず、カキタンニンは渋柿の柿渋由来の天然成分であり、ボタニカル・自然派の世界観で語られやすい。「植物由来だから肌にやさしい」「ケミカルでないから刺激ゼロ」というイメージが結びつきやすい成分にあたる。しかし、天然由来であることは、刺激がない・誰の肌にも合う、ということを意味しない。
そのうえで、カキタンニンは収れん性が比較的強いポリフェノールである、という点を押さえたい。タンニンはタンパク質と結合して引き締める収れん性を持ち、この性質が引き締めの使用感を生む一方で、濃度や肌状態次第ではつっぱり・乾燥として感じられる場合がある。つまり「天然だから刺激ゼロ」どころか、収れん性という機能特性に由来する乾燥のしやすさを持つ成分にあたる。天然由来であることと、肌への刺激の少なさ・つっぱりにくさは、別の軸で評価する必要がある。
整理すると、カキタンニンは天然由来の収れん・消臭素材だが、「天然=安全/刺激ゼロ」は短絡として切り分けておきたい。これはカキタンニンを「刺激の強い危険成分」と決めつけるものではなく、「天然か合成かではなく、収れん性の強さと自分の肌状態で判断する」という見方への切り替えにあたる。脂性肌・べたつきが気になる肌には心地よい使用感でも、乾燥肌・敏感肌では乾燥を感じやすい個人差があり、心配な場合はパッチテストで相性を確認するのが無難にあたる。
4. 相性・組み合わせ
4.1 組み合わせて使われる成分
カキタンニンは収れん・消臭の使用感を担う成分のため、同じくデオドラント・整肌の文脈で使われる成分と組み合わされて、製品の「におい・引き締め・清涼感」を構成するのが基本にあたる。
デオドラント・清涼感の文脈では、カキタンニンは清涼感を与えるメントールと組み合わせて、すっきり・さっぱりとした洗い上がりや使用感を演出する設計に用いられることがある。カキタンニンの収れん・消臭の使用感に、メントールのひんやりとした清涼感が重なることで、メンズのデオドラントボディソープ・スカルプシャンプーで好まれる爽快感のある使用感が組み立てられる。
整肌の文脈では、肌荒れ・ごわつきが気になる肌をいたわる目的で、整肌成分のグリチルリチン酸2Kと組み合わされることがある。収れん性のあるカキタンニンと、肌をすこやかに整える使用感を持つグリチルリチン酸2Kは、洗浄でさっぱりさせつつ肌のコンディションにも配慮する、というデオドラント・スカルプ製品の設計意図でかみ合う相棒にあたる。いずれも役割の異なる成分どうしで、カキタンニンが収れん・消臭、組み合わせ成分が清涼感・整肌、と役割分担して働く関係にあたる。
4.2 注意したい組合せ・留意点
カキタンニンは収れん・消臭の使用感を担う植物由来成分で、化粧品処方で特定の成分と相性が悪く避けるべきという強い禁忌の組合せは基本的にない。デオドラント・スカルプ・ボディ系の幅広い処方に、収れん・消臭目的で組み込める成分にあたる。
実用的な留意点として最も重要なのは、収れん性に伴う乾燥・つっぱりにある。カキタンニンを、洗浄力の高い洗浄成分や、メントール等の清涼成分と重ねた処方では、さっぱり感が強く出る分、乾燥肌・敏感肌では洗い上がりがつっぱると感じる場合がある。脂性肌には心地よくても、肌が乾燥・敏感になっている時期には、使用頻度や量を控えめにするなど、肌状態に合わせた調整が現実的にあたる。
もう1つの留意点として、カキタンニン配合製品に「制汗・殺菌の薬効」を期待して組み合わせを考えるのは、化粧品の役割を超えた使い方にあたる。カキタンニンは収れん・消臭の使用感を担う成分で、汗を止める・原因菌を殺菌するといった効果は化粧品としては期待できない(医薬部外品の領域・詳細は §3.4)。強いにおいの悩みには、化粧品でのケアと医薬部外品のデオドラント製品を役割分担で使い分けるのが、現実的な組み合わせ方にあたる。また、カキタンニンは収れん・消臭の補助成分で、製品の洗浄・スカルプケア・保湿といった機能は配合された機能成分が担う、という役割分担を前提に理解するのが正確にあたる。
5. よくある質問(FAQ)
Q1. カキタンニンとはどんな成分ですか?
渋柿の柿渋(Diospyros kaki 由来)に含まれる高分子ポリフェノール(縮合型タンニン)で、化粧品では収れん(肌・頭皮を引き締める使用感)・消臭(体臭・頭皮臭ケア訴求)・整肌を目的に使われる天然由来の成分です。化粧品表示名は「カキタンニン」、別名 柿タンニンとも呼ばれ、柿渋せっけんで古くから知られています。タンニンがタンパク質と結合して引き締める収れん性を持つことが、引き締め・消臭の使用感の土台になっています。デオドラント系のボディソープ・せっけん・スカルプシャンプー等に配合されます。
Q2. カキタンニンは加齢臭やワキガに効きますか?
「加齢臭が消える」「ワキガが治る」と断定するのは俗説で、化粧品としてのカキタンニンの効能としては標榜できません。化粧品としての働きは、タンニンが臭気成分(ノネナール等)と反応・吸着して低減すると説明される消臭の「使用感」までで、汗を止める(制汗)・原因菌を殺菌する・腋臭症(ワキガ)を治すといった薬理的な作用は医薬部外品や医薬品の領域にあたります。これは消臭の使用感を全否定するものではありませんが、過度な期待は禁物です。強いにおいの悩みが続く場合は、医薬部外品のデオドラント製品や皮膚科の相談も選択肢に入れるのが現実的です。
Q3. 柿渋せっけんで体臭は消えますか?
「体臭が消える」と断定はできませんが、収れん・消臭の使用感によるにおいケアのサポートは期待できる範囲です。柿渋せっけんは、カキタンニンの収れん性と、臭気成分を吸着・低減すると説明される消臭の使用感で、すっきりした洗い上がりやにおい残りしにくい使用感を狙った製品です。これは化粧品の使用感の範囲で、汗そのものを止めたり原因菌を殺菌したりする薬理的な効果ではありません。洗いすぎは皮脂を落としすぎて乾燥・肌荒れにつながる場合があるため、用法どおりに使い、強いにおいの悩みには医薬部外品のデオドラントと併用するのが現実的です。
Q4. 天然由来なので肌に刺激はないですか?
「天然由来だから刺激ゼロ」とは限りません。カキタンニンは収れん性が比較的強いポリフェノールで、濃度や肌状態次第ではつっぱり・乾燥を感じる場合があります。天然由来であることと、肌への刺激の少なさ・つっぱりにくさは別の軸で、脂性肌・べたつきが気になる肌には心地よい使用感でも、乾燥肌・敏感肌では乾燥を感じやすい個人差があります。デオドラント系のせっけん・ボディソープは洗浄力が高めの設計も多く、洗いすぎると皮脂を落としすぎる場合もあります。敏感肌・肌が弱っている時や、過去に柿渋系製品で刺激を感じた経験がある人は、パッチテストで相性を確認するのが無難です。
Q5. カキタンニンは制汗・殺菌の効果がありますか?
化粧品としてのカキタンニンに、制汗・殺菌の効果は期待できません。汗そのものを止める(制汗)・においの原因菌を殺菌するといった作用は、医薬部外品(薬用化粧品)で承認された有効成分が担う領域で、化粧品成分であるカキタンニンの効能として標榜できるものではありません。化粧品としてのカキタンニンの役割は、収れん(引き締めの使用感)・消臭(臭気成分を吸着・低減すると説明される使用感)・整肌までです。制汗・殺菌を求める場合は、その効能で承認された有効成分を配合した医薬部外品のデオドラント製品を選ぶのが、目的に合った使い分けになります。
Q6. メンズのボディソープやシャンプーにカキタンニンが入っているのはなぜですか?
収れん・消臭の使用感を狙った配合です。メンズのデオドラントボディソープ・柿渋せっけん・スカルプシャンプー等は、体臭・頭皮臭・加齢臭ケアを訴求する製品が多く、その「におい対策」と「すっきりした洗い上がり」の中心としてカキタンニンが使われます。カキタンニンは収れん性のあるポリフェノールで、引き締めの使用感と、臭気成分を吸着・低減すると説明される消臭の使用感を担います。ただし役割は化粧品の使用感の範囲で、汗を止める・原因菌を殺菌する・体臭を治すといった薬理的な効果を化粧品として訴求できるものではありません。製品の洗浄・スカルプケアといった機能は配合された機能成分が担い、カキタンニンは収れん・消臭の使用感を補助する、という役割分担で理解するのが正確です。